慢性リンパ性白血病(CLL)の治療の種類
慢性リンパ性白血病(CLL)の治療は、病気の進行度や患者さんの年齢、症状、身体の状態などを考慮して決められます。治療法としては、薬物療法、放射線療法、造血幹細胞移植、支持療法などがあります。また、血液検査後、症状がない場合は治療をせずに過ごす場合もあります。このページでは、CLLの治療内容についてご紹介します。
患者さんの状態に応じた治療の選択
CLLの治療には、いくつかの選択肢があります。治療法は、病気の進行度や患者さんの年齢、症状、遺伝子の異常、細胞表面の特有のマーク(細胞表面マーカー検査)などが考慮されます1)。
治療せずに過ごす(無治療経過観察)
CLLは進行がおだやかな病気です。血液検査の結果が悪くなく、症状もなければ、治療せずに経過観察することになります(詳しくは慢性リンパ性白血病(CLL)では治療しないことがあるをご覧ください)。
薬物療法(抗がん薬、分子標的薬)
血液検査の結果が悪くなったり、また症状が出てきたりしたら、薬物療法による治療が始まるタイミングです(詳しくはこちら)。近年、有効な薬剤が多く登場しています。それらを単独で、または組み合わせて(併用)治療していきます。
薬剤は、主に静脈へ点滴するタイプと、飲み薬のタイプがあります。
患者さんの状態によって、適切な薬剤が選ばれます。タイプ・特徴については、慢性リンパ性白血病(CLL)の最初の薬物療法をご覧ください。
放射線療法
CLLではリンパ節や脾臓などが腫れる症状があらわれることがあります。放射線療法は腫れに効果があり、薬物療法と一緒におこなわれることがあります。
造血幹細胞移植
まず、医師が患者さんの状態を確認し、移植の適応があるか、実施可能かを判断します。患者さんの白血病細胞を死滅させて、健康な造血幹細胞(血液をつくる細胞)を移植する方法です1)。
支持療法
患者さんの症状を軽くするためにおこなわれます。
例)2)
- 感染しやすい部位(口の中など)の治療・ケア
- 抗生物質などの投与
- 赤血球や血小板の輸血
- (抗がん薬などによる)吐き気止め など
- 1) 木崎昌弘監修:血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 東京, 主婦の友社, 2020, pp.86-89
- 2) 国立がん研究センター:がん情報サービス 一般の方向けサイト 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 治療 https://ganjoho.jp/public/cancer/CLL/index.html [2024年1月29日アクセス]