慢性リンパ性白血病(CLL)の疾患Q&A
Q12
慢性リンパ性白血病(CLL)の治療の目標や治療期間を教えてください。
A
治療の目標は患者さんの年齢や人生観などで様々ですが、患者さんの希望する生活を長く快適に送れるようにすることが治療の目標といえると思います。そのためには症状がある場合は、症状がなくなることが重要です。CLLによる症状を軽減するためには、CLL細胞を減らす必要があります。
若年者で、臓器機能に異常がなく、染色体異常がない場合は、そのような患者さんに適した治療法が考慮されます1)。この場合の治療の目標は、限りなくCLL細胞を減らすことです。
そうすることで、長期的にCLLの進行を抑えられる可能性があることが報告されています2)。
CLLの患者さんの多くは年齢が60歳以上で、高血圧や糖尿病などの併存疾患を有する場合があります。そのため、CLLの症状がある場合は症状が軽減するように、また治療による副作用を考慮した治療が実施されます。この場合の治療目的は、症状を軽減してできるだけCLL細胞を減らし、その状態が長く続くようにすることです。
CLLは「一生付き合っていく病気」です。例えば、化学免疫療法の治療期間の多くの場合は約6ヵ月間、 BCL-2阻害薬は多くの場合は2年間、 BTK阻害薬は薬が効かなくなった場合や副作用で服薬できなくなるまで続けられることが多い薬剤というように、治療期間は受ける治療法によって異なりますので3)、担当医などに尋ねることをお勧めします。
【CLLライフ内 参考記事】
【参考文献】
- Leukemia – Chronic Lymphocytic – CLL: Types of Treatment. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/leukemia-chronic-lymphocytic-cll/types-treatment [2024年1月29日アクセス]
- Hallek M, et al. Blood. 2018; 131(25): 2745-2760.
- 1) 藤本 亜弓 他. 特集 慢性白血病―最新の診断と治療―:慢性リンパ性白血病とその類縁疾患の治療, 日本臨牀. 2021; 79(11): 1746-1754.
- 2) Hallek M, et al. Lancet. 2010; 376(9747): 1164-1174.
- 3) 鈴宮 淳司 他. 造血器腫瘍に対する新規治療法 4)慢性リンパ性白血病, 腫瘍内科. 2020; 26(6): 618‐625.