慢性リンパ性白血病(CLL)は
ゆっくりと進行する

慢性リンパ性白血病(CLL)はゆっくりと進んでいく進行性の病気です。臨床病期(ステージ)で病気の進行度合いを確認します。このページでは、CLLの臨床病期の分類についてご紹介します。

慢性リンパ性白血病(CLL)の進行は臨床病期で判断1)

CLLはゆっくりと進んでいく進行性の病気なので、臨床病期(ステージ)で病気の進行度合いを確認していきます。病気が進行していなければ早期、進んでいれば進行期とされます。
CLLの病期分類には、米国で主に使用されている改訂Rai(ライ)分類と、欧州で主に使用されているBinet(ビネ)分類の2種類がありますが、どちらもリンパ節の腫れや血球減少の程度などをもとに病期分類されます。日本では、両方の病期分類が使われています。


【改訂Rai(ライ)分類】

Rai(ライ)分類

早期

進行期

リンパ組織の腫れは、①頭頸部、②腋窩(えきか:ワキの下)、③鼠径部(そけいぶ:太もものつけ根)、④脾臓、⑤肝臓の5領域で評価され、腫れが身体の左右どちらかであっても1領域と評価します。

改訂Rai分類 Rai分類病期 説明2)
低リスク 0期 ・末梢血モノクローナルBリンパ球 5,000/μL超
 +骨髄リンパ球 40%超
中間リスク Ⅰ期 ・病期0+リンパ節腫脹
Ⅱ期 ・病期0~Ⅰ+肝腫、脾腫
(どちらかまたは両方)
高リスク Ⅲ期 ・病期0~Ⅱ+貧血
(ヘモグロビン 11g/dL未満またはヘマクリット値 33%未満)
Ⅳ期 ・病期0~Ⅲ+血小板 10万/μL未満

【Binet(ビネ)分類】

Binet(ビネ)分類

早期

進行期

リンパ組織の腫れに関する評価は、改訂Rai分類と同様です。

Binet分類病期 説明2)
A期 ・リンパ組織の腫れが2ヵ所以下
・赤血球および血小板数が正常
B期 A期の所見+
・リンパ組織の腫れが3ヵ所以上
・赤血球および血小板数が正常
C期 B期の所見+
・貧血および/または血小板減少症

臨床病期は、治療開始の目安などに使われる

臨床病期は、治療開始の目安を判断するうえで必ず使われます1)

また、患者さんの予後についても予測ができます(詳しくはCLLの予後をご覧ください)3)

  • 1) 日本血液学会編: 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版. 金原出版, 2023, pp.147-148
  • 2) Hallek M, et al. Blood. 2018; 131(25): 2745-2760.
  • 3) Montserrat E. New prognostic markers in CLL. American Cancer Society (ACS) Hematology. 2006; 1(1): 279-284.

CLLが疑われる、または診断された直後の方に関する記事

  • 慢性リンパ性白血病(CLL)の予後

    慢性リンパ性白血病(CLL)の予後

    詳細へ

  • 血液がんと白血病の分類

    血液がんと白血病の分類

    詳細へ

  • 慢性リンパ性白血病(CLL)の病態

    慢性リンパ性白血病(CLL)の病態

    詳細へ