血液がんと白血病の分類
血液がんの一つである白血病は大きく分けて「急性白血病」と「慢性白血病」の2種類あります。このページでは、血液がんや急性白血病と慢性白血病の違いについてご紹介します。
血液がんとは
がんは、遺伝子異常が起きた細胞が増殖してしまう病気です。血液がんは、異常な血液細胞が増殖してしまう病気です。医学用語では「造血器腫瘍」と呼ばれることがあります1)。
血液がんの分類
血液(およびリンパ)が関係するがんは、主に骨髄球系、リンパ球系に分類されます2)。CLLはリンパ球系である白血病の一つです。
急性白血病と慢性白血病の違い2,3)
白血病はたくさんの種類がありますが、大きく二つに分けられています。“急性白血病”と“慢性白血病”です。白血病というと、どうしても急性白血病のイメージが強いですが、急性白血病は“がん”の中で唯一、急性とついている理由があります。白血病細胞の増殖するスピードが速いので、診断されればすぐに治療を開始します。一方、慢性白血病は慢性と言われるくらいですから、白血病細胞の増殖するスピードはゆっくりです。細胞が増えるためには細胞が分裂する必要があります。正常な細胞は1個が2個になり増殖します。この2個になる時間を倍加時間といって、細胞の増える指標とされます。急性白血病の中で最も増殖が盛んなときは、倍加時間は1-3日ですが、CLLでは12ヵ月以上が普通です4,5)。CLLの細胞が5,000個あったとすると、10,000個になるのに1年以上かかるということです。
- 1) 病気がみえる vol. 5 血液 第2版, 東京, メディックメディア, 2017, p.100
- 2) 国立がん研究センター:がん情報サービス 一般の方向けサイト 白血病の分類
https://ganjoho.jp/public/cancer/class_leukemia/index.html [2024年1月29日アクセス] - 3) 直江知樹編:インフォームドコンセントのための図説シリーズ 白血病/骨髄異形成症候群, 大阪, 医薬ジャーナル社, 2013, p.12
- 4)Tsurusawa M, et al. Leukemia. 1995; 9(11): 1921-1925.
- 5)Molica S, et al. Cancer. 1987; 60(11): 2712-2716.